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会期は延長され、白熱した議論は…、しかし平行線を辿った。結論が出ないまま一日一日と時間は過ぎていった。
名古屋議会も焦りを感じていなかったわけではないが、議場に流れる時間と戦場に流れる時間では、過ぎる速度があまりに違いすぎた。
数にまかせて決をとることも手段としてはできたはずだが、派閥間の対立が深刻化することを警戒した与党はそれをしなかった。
そうしている間に…、事態はもはや後に引けないところまで来てしまったのだった。
そして、十二年前、八月、
運命のその日――。
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