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物資を巡るこれらの動きについては、神戸もほぼ同じ状態だった。つまりはこの二都市間の小競り合いがさらに西宮を潤しているということは誰の目にも明らかで、戦えば戦うほどに当初の目的を遠ざかっていった。
さらに西宮は軍需品を両都市へ輸出して莫大な利益を得るだけでは満足しなかった。係争地域への牽制として付近に主力部隊を投入しながらも、いっぽうで自らに有利な条項を盛り込んだ和平交渉をもちかけ両都市に圧力をかけた。流血なく広島を支配下に置いたことに味をしめた西宮市長は、同じようにして神戸大阪をもろとも手中に収めようと考えたのだ。
このあまりにも大胆な外交戦略に驚いた二都市は、背後の名古屋の協力を取り付けようとそれぞれに交渉を申し入れた。
提案を受けた名古屋議会は紛糾し、ある者は「西宮のやり方にはかつて全盛期の聖都と渡り合っていたころの文京のようなしたたかさを感じる」「今後我々に対しどう出てくるかわからない以上は同盟が多いに越したことはない」と警戒感を強めたが、別なある者は「両都市は疲弊しきっており、勢力範囲に加えたところで名古屋経済の足枷になるだけ」とバッサリ。


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