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「おおおうっ、いや今のは、その、なんじゃ、何でも…、」

前田は咄嗟に言い訳を始めたが、ドアラは別に言われた内容を理解しているわけではない。ただ蹴られてぼんやり目を覚まし、大声に反応しているだけのこと、

「وظغ٥فيچー…」

そして、何か寝言を言うと…、

「ぎゃあっ」

倒れた前田に覆いかぶさるようにしてバッタリと頭から倒れこみ、再びスカスカ寝息を立て始めた。かくなるうえは最早形振りかまっていられない。前田は板張りの廊下を懸命にタップし、心当たりに助けを求める。

「おーい、カーサ、見とるんじゃろ!助けてくれい!」

だが、必死の呼びかけも空しく、あの世話焼きのカーサは現れなかった。それから前田が開放されるまでに要した時間は、ドアラが次に寝返りを打つまで、時間にしておおよそ5分。たったの5分だ。しかしその間に山崎は、100メートルと少し遠ざかり…、とうに姿は見えなくなってしまっていた。


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