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「では…、その核心のお話を伺っても」
「ええ。そのためにわざわざ朝からお迎えいただいたのです」
「場所は。ここでよろしいですか」
「結構」
「帆者の他に、この場に召集したい者がありますか。あれば、すぐにでも」
「こちら側としては、必要な人員に必要な情報を知らしめることの裁量はすべて総帥にお任せしたく存じますよ。
 なにしろこの共同作戦は始まったばかりです。我々聖都は解放戦線のことを漠然としか知らない。どんな力をもった人材がどれだけあるのかも」

それを聞き、大沼は考え込むように暫し黙った。

「…そんな蛇穴へ、よく単身来てくださったものだ」
「憚りなく申しますなら、これは総統の賭けでした。あなたがたに私の命を賭したのです。
 そして、その賭けはまだ続いている。私が聖都へ吉報を持って帰るまではね」

ガイエルは顔立ちを崩さず、淡々と語る。

「私も喜んで参りました。この賭けに失敗すれば、いずれ遠からず聖都は滅ぼされる日が来る。そのとき私が生きていたところで文京軍から聖都を護ることはできません。
 勿論、いくらかの足しにはなるでしょうがね。結果としては無駄になるのが見えている。そんな死に方をするくらいなら、私は総統の判断と、あなたがたに賭ける」
「な…、」
「勝負のときなのです」


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