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☆ ☆ ☆

「戦線、急に押し戻されてきましたね」

文京軍の中央基地の一室で、レーダーの映し出す映像を見ながら、文京軍の若い一兵士、亀井義行はつぶやいた。

「今朝からな。流れが変わった。向こうも本気出してきたんだろう」

それに亀井の上官である清水隆行が応える。

「というと」
「マニュアル操作に切り替わったんだよ。まあ、感覚的に信じられないかもしれないが、無人戦闘機をぜんぶ有人操作に切り替えたんだろう。しかも、おそらく一人でね」
「えっ、そんなことが」
「普通はできないよ。でも名古屋にはそういう、なんていうんだろう、天才がいてね。ちょっと昔はここらまで、名古屋の撃墜王って二つ名がが聞こえてきたもんさ」
「へぇ…」
「まあ感心ばかりしてるわけにもいかない。最低でも、そうだな…、このあたりのラインは維持しないと」

清水は画面上の中央、やや左よりのあたりに指で線を引きながらそう言った。


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