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「文京からつい先ほど声明が出た。内容については、そこの3人以外には先に一度言ったが、どこかからテロ行為を受け犠牲者を出した、ということだった」
「ウチの名前挙がってへんのですか」
「挙がっていない」
「それはつまり、宣戦布告はされなかったいうことで」
「そうだな。そう解釈できる。もっとも、近日中に彼らが名古屋東基地の占領に成功するようなことがあれば、その後のことはわからんが…。続けていいか」
「あ…、はい」

佐伯は返事をしてうなずく。手元のコーヒーについては何も言われなかった。

「例の件についてはこれだけだ。もうひとつ、こちらのほうが本題なんだが…、」

大矢の語りはいつにも増して慎重だ。言葉を選んでいるのだろうことが誰の目にもわかった。

「議題としては、単純だ。昨日聖都から奪われた、超魔神グライシンガー」

グライシンガー。その名が大矢の口から出た途端、場の空気がさっと変わった。この場にその名の挙がることを、誰が予想しただろうか。
その張り詰めた緊迫感を押し切るように、大矢はやや語調を強くして続けた。

「あれを、我が軍の全力をもって破壊したい」


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