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仁志はおもむろにポケットから手帳を出すと、そこに挟んであった紙を取り出し、それを読みはじめた…、

「なんかすごい煙出てて道路まっくろになってて、車の原型なくて、あのトラックってタイヤが4コついてて、いや違う6コついてて、運転席あって助手席あって荷台あるんすけど、
 荷台のとこがなくて燃えカスが2台かどうかもパッと見わからないですハイ。ハイ。
 もう煙すごくて車とかわかんなくてなんもわかんなくて古木にどうって聞いたんすよ、そしたらわかんないって言うんでもっかい見たんすけど煙すごくて結局よく見えないから、」
「いやあの、要点」

佐伯はたまらず仁志の棒読みをさえぎった。

「煙がすごくてわからない」

さえぎられた仁志もあっさりと要点を述べる。はじめから最後まで聞かす気もなかったのだろう。


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