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「めちゃ早いな」
「お金入れてないからネ」
「なんや水かいな」
「失礼だね、お湯だよ!この寒いのに水とかありえないじゃん!ジョーシキなんだからね!」
「はいはい、はい」

仁志はムキになって主張をしたが、それを佐伯は軽く流した。

「そうだ仁志たん、何か知らないの?」
「何かって何?」
「いや、文京のこととか…」

石井は上半身を仁志のほうへ向け、思い出したようにそう言った。仁志がこう話を振られるのには訳がある。
何を隠そう、彼は数年前まで、文京軍でいっぱしの指揮官を務めていた男だ。それがどうして今は横浜で白湯を飲んでいるのか…、
単に上官と意見があわなかったことを理由に辞表を叩き付けてきたと本人が短く語ったうえ、彼の性格を考えればさもありなん、それ以上に深く追及する者はなかった。

「知らないよ。何かって今朝の話だろ。だったら知らないよ」
「村田が出した偵察の話は聞いた?」
「それは聞いた。えーとなんだっけ」


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