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「えーそれだけぇ?」
「あとは、単に車が燃えたにしては、道路からけっこう離れたとこの木まで爆風に煽られて延焼してるって話くらいかな。手口と精度から見れば所沢の仕業だろうってサ」
「まーそれは誰でも直感的に思うわなあ…、」
「まあね、実際そこらへんの纏めは村田の推測入ってるだろうケド、このままじゃ報告として何もならないし」
そう、他国の軍事基地の目と鼻の先で爆破テロを起こし、その後尻尾を捕まえられることなく姿を消している。名古屋軍でも結局は同じ結論になった通り…、そのことだけで、実行犯は明白なのだ。
「写真届いてたから見せてもらったけど、大型車が追突して仮に油が爆発してもだよ、ちょっと爆発の規模が大きいんじゃないかとは実際俺も思ったね」
「村田…、すごいなあ、ちょい頑張ったら何ヶ国語か通訳できるよーになるんちゃう。儲かるで」
「就職先間違えてるよなあ」
「待てヨ。村田が辞めるなら古木と吉村も連れてってくれないと困るね!」
「ジョーダンやがな。で、その写真て、村田に言うたら見せてくれるんか」
「見せてくれると思うよ?でも11枚のうち7枚だかが手前のフェンスにピント合ってるよ」
「それ分析すんねや…、いややなあ…」
「そのへんは俺らの仕事じゃないじゃん。てか絶対所沢じゃん」
「それでも分析はできるだけしないとダメだヨ、分析はしましたって事実が大事なんだからね、そうじゃないとあれがウチの仕業じゃないって、どうやって文京を説得するワケ」
「そないなスンバラシイ芸当、うちじゃできまへん、て」
「いや、そうだけど…」
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