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――マーティ・レオ・ブラウンは歴史上に名を残す数多の革命家と同様に、よく人心を掴み、強気で大胆、かつ細心、周到、
そして万事が整ったと判断したその暁には、周囲の誰をも心配させるほどの楽観主義者に早変わりする。
つまり彼は、広島において軍事革命を成功させる可能性があるだけの資質は持っていると言えるのかもしれない。
しかしわざわざ述べるまでもなく、首謀者の資質だけでは革命などは為し得ない。必要なものは他にもいろいろある。
例えばそれは資金や物資であり、後援者であり、さらには天運地運であり、そして優秀な同志たちだ。ブラウンは広島自衛隊の事実上のトップであるから、この場合の同志とは主に部下たちを指すことになる。
アレックス・オチョアはまさにそれだ。彼は軍備解除されて久しい広島自衛隊に於いては数少ない、実戦での部隊指揮経験豊富なベテランであるが…、
彼の重要性は単にそれだけに留まらない。これからブラウンの実行しようとする計画は、彼なくしては机上にすら出現し得ないものだった。

そもそも、広島自衛隊に於いて実戦経験が豊富ということは…、広島ではないどこか、他の軍事組織に長く所属していたことがあるというのと同義である。
例えばブラウンが半ば強制的に連れてきた青木勇人は、既に前日明らかになっている通り、所沢解放戦線の出身だ。
解放戦線において彼は本来戦闘員ではなかったが、それでも銃器の扱いにかけて、広島自衛隊の中堅どころよりも遥かにマシな技量を持っている。
しかし、それも仕方のないことだ。なにしろ広島自衛隊でできることと言えば、ひたすら訓練を積むことだけ。しかも彼らが手にできる武器と言えば、
そこらで民間人向けに販売されているスラィリーハント用の銃だけだ。とても軍事作戦の足しになるような代物ではない。
この事態をまず重く見た青木は、随分乱暴なスカウトを受けたにも関わらず…、至極熱心に、時には小汚くえげつない価格交渉を死の商人相手に展開しながら…、物資の確保に奔走した。


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