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☆ ☆ ☆

「…終わったぞ」

永川のその声と同時に、森野は溶けたアイスクリームのように畳の上へとへたり込んだ。

「そんな痛いのか?」
「痛いも何も。今までに体験したことのない痛みだった…」
「そりゃご苦労だったな」

森野の恨み節も所詮は他人事、軽く聞き流すと、永川は一切の配慮なく言葉を続ける。

「でも、これで終わりじゃないんだぞ」
「何だと…」
「そんな顔するなよ。始めに言っただろ、気脈をちぎっただけじゃダメだって。いいか、全力を出すなよ、絶対に出すなよ、七分…、いや六分でいい、右腕に気を通してみろ」
「六分か」

森野は言われた通りに気を操ろうとした…、しかし絶対などと言われてしまうと、逆に意識してしまってなかなか調節のきかないもの。

「うわっち!」
「だから言ってるのに!」

さっきまでも、意識して腕に気を流そうとすると、腕が熱くなる感覚を覚えた。しかし今の衝撃はそれとは比べ物にならない、森野は一瞬、自分の腕が丸焦げになったかと勘違いしたほどだ。
ジィンと痺れる腕を押さえ、森野は畳の上をのたうち回った。

「あつつつ、な、なんだ、今のは」
「何度も言わすな、今、あんたの腕はリミッターが外れてる。あんまり急激に大量の気を流すと危険だ」
「危険って、」
「末梢神経に傷がついて、障害が残る可能性もある。真面目にやれ!」
「わ、わかったよ」


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