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「そう言うな、すぐ近くだ」
「しかし、そろそろこいつが眠くなる時間なんだが…、」

森野は親指でドアラを指差して言った。差されたドアラはタイミングよく欠伸をしている。

「だから、あんただけでいいって言ってるじゃないか。本当は日を改めようと思ってたんだが、早くしたほうがいい」
「…そう、だな。すまない」
「謝る必要はないよ。そもそも、あんたがいないと話にならないんだから、そりゃ、あんたの都合に合わすさ」

そう言うと永川はクルリと後ろを向き、去っていった。

…あんたがいないと、話にならない。
永川の何気ない調子で口にしたその言葉は、門を敲くように森野の胸に響いた。
先刻、鶏小屋で、森野が「いてもいなくてもいい存在の自分が嫌で」という話をしていたことを永川は意識しただろうか…、
おそらく、しているはずがない。
それは考えすぎだ、と森野は心の中で自分を笑った。しかしそれなら尚更のこと。確かに、必要と言われたのだ。
絶対に、やってやる…、森野はまた決意を新たにし、その拳を握りしめた、

「خظينض、هزيؤكئ(森野さん、早く服着なよ)」
「…うん」


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