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☆ ☆ ☆

「ご飯どうかなー…」

森野たちが騒いでいる風呂場から壁一枚隔てた台所で、永川はひとり調理に没頭していた。
普段2人分の食事しか作ることのないこの台所には、ドアラを含めた5人前を一度に炊ける電気釜がない。仕方ないので土鍋を引っ張り出して炊飯を試みるが、火加減がよくわからない。

「中パッパ、赤子が泣いてもフタ取るな…、」

炊飯時のお決まりのフレーズの一部分を口にし、永川は考え込んだ。

「ちょっと塩梅見るくらいならいいだろ」

自分を説得するようにつぶやいて、永川は布巾を持った手を鍋のフタへと伸ばした、そのとき、
ドタバタという足音がして、山崎が台所へ走ってきた。

「はー疲れた。あ、もうほとんどできとるやん、ラッキー」
「お帰り。そこの汁に味噌といてくれる」
「ほいきた」


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