206

荒木はあえてスラィリーハントやビッグ・ドメあたりの話をしなかった。最初にそれを言ってしまえば彼らに先入観ができあがると思ったからだ。
上田は腕組みをしてさらに考え込む。新井は何か考えているのかいないのか、テーブルに両ひじをついてその上田の横顔を見ている。

「中佐よりも上…、落合長官から直接なにかの密命を受けたということは考えられないでしょうか」
「仮にそうだとしても…、中佐にも知らせないというのは、あまりに不自然じゃないだろうか。これでは基地内に混乱を招く」
「うーん…、いえ、自分もそう思うのですが…、あの長官のことですから…」
「ない、とは言い切れないか。しかし」
「可能性はもちろん、低いと思いますよ。ですが、森野大尉が自主的に今の名古屋を無断で抜けて広島を目指す合理的な理由が、自分には測りかねましたので…」


[NEXT]
[TOP]
[BACK]

PC用眼鏡【管理人も使ってますがマジで疲れません】 解約手数料0円【あしたでんき】 Yahoo 楽天 NTT-X Store

無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 ふるさと納税 海外旅行保険が無料! 海外ホテル