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「そりゃ理屈はごもっともだが、そんなことじゃ商売にならんよ、キミそれでも日本人なの?」
「そのぶん俺が働くんだから問題ないだろ。人手もこっちで連れてきたんだし、こいつの報酬は俺で払うんだからあんたに迷惑かけてないじゃん。
 何度も言ってるが、昌樹か梅ちゃん以外とは何が何でも組まないよ、俺は。どぉーしてもってんなら、俺を使わず初めから他の奴に回してくれ。とにかく、どこの馬の骨だかわからん奴と組むのは御免だ」
「ほんとに他人を信用しないねキミは」
「人を信用して後悔するより、信用しないで後悔したほうがいい」
「根暗だな」
「何とでも」
「仲間は多いほうがいいぞ、うちに来れば人生観変わるぜ」
「またそれだ。うちって何だよ。とっくに足洗ったんじゃなかったのか」
「洗った、洗ったよ、でも争って出てきたわけじゃないからな」

師匠の前では絶対に言わないようなことを次々口にする永川と、一歩も退かずに思ったことをはっきりと言いまくる青木に、山崎は圧倒されかかった。
事故って何やの、梅ちゃんに何かあったんか、ちゅーかその厭世観は人としてあかんやろ、等々、色々つっこみたいところはあるが…、
まずは口論をやめてもらうことが先決だ。有益そうな議論にも聞こえないし、なにより居心地が悪くてかなわない。

「何やわからんけど…、ケンカせんとって?」


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