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「はあ、誰を確保できるって。今は昌樹も梅ちゃんもふさがってるだろ。それだったら未経験でもこいつのほうがマシだ」
「梅津君はわかるが、林君は別にふさがってないじゃないか」

林昌樹と梅津智弘。なぜここで突然彼らの名が出てくるのかはわからないが、道場へたまに顔を出すことがあるので、いずれも山崎にとっては知った名前だ。
ただし…、道場に顔を出すとは言っても、彼らは前田の弟子ではない。スラィリーハンターを志望した彼らを永川と梵が勝手にレクチャーして育てていたのを前田が黙認したもので、梵が姿を消した現在では二人とも永川の弟子を名乗っている。
現在ではそれなりに熟練したプロのハンターで、山崎の知る限りでは、林はブーメランの名手、梅津は何か珍しい能力を使うらしく、そういえば最近、その道の大家である千葉海軍の著名な人物の元で修業したとか言っていた気もするが…、
これは山崎にとってはさして重要な情報ではなく、よって詳しいことは忘れてしまった。

「打診しても出てくるわけないと思わないのかよ。今季はもう昌樹は店じまいだから、そう思っときな」
「なんだその言い方。俺が何したっつーのよ」
「何かしたなんて言ってないだろ。ありゃ事故だ。ただ少しは昌樹の気持ちも考えてやったらどうなんだって言ってるだけだ」
「気持ちでいつまで仕事休むんだよ。どんなプロだ」
「こっちゃ自由業なんだからほっといてくれって話。もっとも、あんたが昌樹と期間契約でもしてたってんなら別だがな?そうでないなら何の拘束力があるって」


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