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「そうですけど…、今日に限って言えば実際惜しかったですって」
「何じゃお前さん、随分肩持つのぉ。浩司に勝ってほしかったんか」
「…まあ、そうとも言いますかね。なんていうんでしょ、応援、してましたよ?」
「へえ、なんでまた」
「だって、そりゃそうでしょう。ここん家の神棚に毎日ご飯とアブラゲを乗せてくれるのはあの人だもの」

カーサは澄ました顔で目をぱちぱちさせる。その様子が可笑しくて、前田はつい鼻を鳴らした。

「ふふん、なんじゃ、そんなことか。しかし、浩司はお前さんが嫌いみたいじゃぞ」
「それはお師匠さんが、僕のことをちゃんと説明してくれないからでしょ」
「そうは言っても、今時の若いもんにお狐さまなんぞ、どっから説明したらええかわからんわ」
「あの子たちはわかってくれたじゃないですか。なんで浩司さんだけ?」
「浩司は三次で育っとらんからの、まず、神仏に対する心構えができとらん。三つ子の魂ちゅうか…、これは一生直らんじゃろ。
 むしろナーと英心が特別だと思うたほうがええ。奴ら小さい頃から寺で色々叩き込まれとるけぇの」
「はあ」
「ほれ、もうわかったじゃろ、そもそもがこんだけ違いがあるんじゃけぇ、そこへワシが説明してどうこうっちゅう性質のもんではないんよ。本当じゃ、本当本当」
「…まあいいですよ、それはわかりました。でも今日は惜しかったでしょ。あとは持久力さえあれば」


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