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果たして、銃弾は真っ直ぐに山崎の跳んだ足元へ…、しかし山崎の危惧した通りにそれはスラィリーの足を捉えることなく、その手前の地面に当たった。
失敗だ、と認識したその次の瞬間…、
突如、猛烈な爆風に全身を煽られ、山崎は空に向かって吹き飛ばされた!
「うひょああっ!」
背中を地面にしたたか打ちつけたのち、山崎は収穫後の乾いた野菜畑を転がった。
爆発音を間近に聴いたために耳の奥の三半規管が一時的に麻痺してしまい、珍しく着地に失敗したのだ。
…一体何が起こったのか、咄嗟に確かめる余裕はなかったが、山崎にとってそれは確かめるまでもないことだった。
尤も、山崎の知る限りの永川の能力は、「自分の気を込めた物体に、物理的衝撃によって爆発炎上する性質を持たせることができる」だけで、
仮に銃に応用しようとすれば発射時の衝撃で暴発することが容易に想像される代物だった筈だが、その後数年の間の何らかの鍛錬、あるいはひらめきによって、今は銃弾も扱えるようになったということなのだろう、
そうした細かいところを除けば、火気のないところに爆発を起こすこと自体が永川にとっては難しくないということを、山崎は知っているからだ。
あいたたた、てててて、まさか骨はイッてへんと思うけど…、あいかわらずコレだけはハデやな、キャラに似合わんやっちゃ、
…って、そんなんどーでもええやん自分!どうなった、あいつは…、
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