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「うん、浩司と互角にやりあえるなら、英心とやっても充分戦力になるじゃろ。先にも言うたが勝負はオマケよ。
 じゃが勝ったことには変わりない。立派なもんじゃ」
前田に褒められ、森野は思わず照れ隠しに頭を掻いた。
「さて、ナー、このあとは、どうするん」
「え、どうって」
腕組みをして、前田は永川に話を振る。その質問の意図を計りかねた永川はそのまま軽く聞き返した。
「急ぐのか」
「まあ、それなりには…、ただ準備もあることなので、早くて明後日かな、と」
「そんなら、今日は名古屋さん、ワシに貸して貰えんかの。半日でどこまでなるかわからんが、ちょいと鍛えてみとうなった」
前田が不敵にニヤリと笑う。森野としては前田に稽古をつけて貰えるのなら、そんなありがたい話はないが…、
「ああ、いいですよ。じゃあ夜には戻りますから、やまちゃんを貸して下さい」
「よし」
本人にひとことの確認もなく貸借の決定がなされたことが、少しだけ気に入らない、森野であった。


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