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…その答えはあまりにあっさりしすぎていて、森野の耳から頭へ染み込むのに、多少の時間を要した。
「ほ、本当に?会えるのか?いつ?」
「出かけるとは聞いていないから会えると思う、いつでもいいんじゃないかな、まあ、早朝深夜でなければ」
森野は呆然とした。広島の奥地、かつてはさすらいの傭兵、不世出の武人、と来れば難しい性格も納得がいく、
もしかすると会うのにも試練を課されたり、色々な障害があったりするかもしれない、
それらを乗り越え遂に面会が叶うときがきたら、それはそれは、どれだけ感動することだろうかと森野はかねてから想像していたのだ…、
それなのに…、
それなのに……、
ああ、なんて、なんてオープンなんだ…………!!
積年の夢が叶うときというのは、案外こんなものなのかもしれない。
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