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「なんやーびっくりした、お師匠さん起きてはりましたのん」
「こいつも今夜は戦いに行くんじゃけ。寝かしといてやりんさい」
「別に寝るのがアカン言うてるんやなくてですね。まーそらヒキコモリの人には廊下で何が寝転んどっても関係あれへんでしょうけど」
「誰がヒキコモリじゃと」
「誰とか言うとりまへんで。…そいやあ、さっき、予報で今夜天気崩れるちゅーてて。心配ですねぇ」
「お前さん他人事みたいに言うとるがの」
「別にそんな。ヒトゴトやなんて…、思うてまへんで」
「ほう」

他人事ですからとか何とか勢いで言い放つかと前田は思っていたが、その予想は外れた。山崎は、彼にしてはごく神妙な顔をして…、さらに先を続ける。

「ナーも当然ご苦労さんちゅーか、なんちゅーか、僕らから見たら相当すごい、ほら、アレですねんけど。それはそれとして…、」

山崎はうつむいて言葉を切り、少し考えているようだった。ドアラを挟んで、師弟はしばし黙しあう。


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