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「とりあえず、自分はどこから手をつけたらいいでしょうか」
「……」

埒があかないので亀井はみずから指示を仰いだが、その問いに返事はない。キーボードのカタカタいう音だけがしばらく続く。
やがて…、

「…いや」
「はい?」
「先にメシ食ってこい」
「え、と、では替わりに誰かよこしましょうか?」
「いらない。またイチから説明すんのが億劫だ」

清水は上官として不適というほどではないにしろ、人を使うのがあまり得意でなく、自分でやった方が早いと思えばそうしてしまうことが多い。


「今から変更箇所洗い出すから適当な時間で…、そうだな、1時間くらいで戻ってきて。そこから作業しよう。多分そんなデカイ改修にならないはず」
「わかりました」
「この話は誰にもするなよ。話のわからん奴に口出しされると面倒だから。いちいち上に諮ってたりなんかしたら山本にはとても対抗できない」


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