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「まだそんな時間なのかよ。俺は腹が減ったんだよ」
「それは、朝ごはんゲロったからでしょ」
「じゃあカフェにでも行こうぜ。俺は甘いもん食うから、お前ら茶でも飲んでろよ」
「はあ…、」

貴哉は溜息と返事の中間くらいの声を出し、ポケットから車のキーを取り出した。了解したというよりは諦めたのだろう。

「駆除依頼来るかなあ。今日は勘弁してほしい、てか、仮にも軍隊なんだったら、スラィリーの一頭くらい自力でなんとかしてくれるよな…」

一人ぶつぶつとつぶやく永川を、東出は横目でチラと見た。

「お茶って俺も一緒していいの」

彼は永川が再び合流してから今まで一言も口をきいていなかった。ゆえに、ここで出た言葉は誰にとっても意外だった。
特に貴哉は、とうぜん東出が先に帰りたがると予想して、先に東出を降ろしてから次の目的地へ向かうルートを頭の中に描いていたくらいだ。

「来たけりゃ、来ればいいだろ」
「じゃあ行く」

永川の返事はぶっきらぼうだったが、これに東出は噛み付くでもなく、実にあっさりと返事をした。
そしてやはり永川とは目を合わさないまま、黙ってプレマシーの後部座席へと乗り込んだ。


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