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「す、凄いですね」
「別にたいしたことじゃない。あれは実戦じゃほとんど使えねぇんだ。一発撃てば疲れるし、見てただろ、チャージに時間がかかるからな…」
「でも、空を飛んだり、あんなことができるなんて、自分らからしたらそれだけで。帆者、あなたは、総帥と同じ…能力者なんですか?」
「同じと言やあ同じだし、違うと言えば違う。奴が炎なら…、そうだな、俺は風か何かだ。
 俺と同じようなのは能力者の中に時々いるが、奴はレアだぞ、少なくとも俺の知る範囲には二人といねぇ。…まあそんなことはいい、中身は何だ」
「あ…、そうですね」

岸は走って行き、コンテナに開いた穴から中へと身体を滑りこませた。中は当然真っ暗だったが…、岸は肩から掛けていた鞄からランプを取り出し、それを点灯した。

「何だった」

遅れて帆足が中を覗く。

「何でしょう…、わかりません」

コンテナの内部にしっかりと固定された大きな箱を開けると、中には緩衝材が詰まっていた。それをさらに取り除き、中から現れたのは…、

「黒い…、プラスチックの塊に見えます」
「出してみるぞ」
「…いいですか」
「よし」
「せぇの」

中へ入ってきた帆足が手伝い、掛け声にあわせて二人掛かりで持ち上げ、床へ降ろしたその塊からは、配線がいくらか出ており、端子のようなものもくっついている。一見しては何だかわからない。


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