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そして…、夕陽の中遠ざかってゆく二人の姿を、山腹から見守る影。
スラィリーだ。高さはゆうに先刻永川が殺した個体の1.5倍はあるだろう。立派な体格だ。
その首には…、人が跨っている。
永川たちが迎えのデミオに乗って現場を去り、若いスラィリーの死骸が軽トラックに載せられ搬送されてゆく一部始終を見届けたのち、
スラィリーに乗ったその人影は、誰に聞かすともなくつぶやいた。
「…また、殺りやがった」
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