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「…ふう」

永川は大きく息をついて、無事に仕事が済んだことを安堵した。それから畑の真ん中に膝をついたままの山崎のほうへ歩み寄り、心配そうに顔を覗き込んだ。

「大丈夫か?怪我は?」
「…背中打ったけど…、だいじょぶ、やと、思う」
「そうか、良かった。力加減がうまくいったな」

そう言うと永川は表情を崩し、ニッと人懐こい笑顔を見せた。

「力加減…?」
「そう。スラィリーごとぶっ飛ばすような爆発起こしたら、やまちゃんがタダで済まないでしょ。どこへ飛んでいくかもわからないわけだし。
 100キロちょいくらいのスラィリーをぶっ飛ばさないように、70キロくらいのやまちゃんだけをどけられるかどうかがキモだったのさ」
「え?…てことは何、元々、地面狙って撃ったちゅーこと?」
「ああ、そっか、外したと思ったのか」

急には話が飲み込めない様子で目をぱちぱちさせる山崎を見て、永川は笑った。

「…てっきり足狙って撃ったんかと思て」
「それじゃ足は吹っ飛ばせても、やまちゃん殴られるかもしれないだろ、それに、俺の射撃の腕じゃ、確実に当てられるかどうかわからんしね」


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