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再び、広島。
山崎の作ったパスタを食べ終え、森野は食後のコーヒーをちびちびとすすりながら、朝の永川のつくった食事のほうが美味かったというドアラの主張を黙殺していた。
森野はさほど味に敏感なほうではないが、振舞われたパスタは家庭料理として充分なレベルだった。ドアラが文句を言うのはおそらく、普段イタリアンなんて食べさせていないから、口にあわなかったせいだろう。
テーブルの正面では前田と山崎のやりとりが飽きずに繰り広げられている、その声が聞くともなしに聞こえてくる。
そろそろ名古屋では騒ぎが起こっているころだろうか。できることなら、急がねばならない。
だが…、基地には優秀な人材が揃っている、戦闘に関して傑出した才を持つわけでもない自分ひとりが欠けたところで決定的な戦力のダウンには繋がらない、と森野は心の底から信じ込んでいた。
だから、もう少しだけのんびりしていても大丈夫…、そう思って森野はまた、コーヒーカップに口をつけた。


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