050
「それが偶然にも、上空を通過しようとした戦闘機の編隊を直撃して、見事に撃ち落としたのだ!」
「…あんたね、撃ち落したのだ、じゃないよ。それでもし市街地へ向かって走り出しでもしたら、一体どうするつもりだったんだ」
「まあ、それはそうなんだけれども…、まさかロボットの尻を叩いてどうにかなると思わないだろ、それに、結果的に問題はなかったわけだし」
その話がまずいち早く、当時森野の先輩だった、現在は退役しドアラ漫才で茶の間の人気を博す蔵本英智の知るところとなり、
恐らくはその日のうちにアレンジを加えられて世間へ広まったものが、例の竹槍で戦闘機の噂の元になった、と森野は考えている。
ちなみにその竹箒の柄はその後ビッグ・ドメに搭載され、今年夏の故障まで、不具合が起こるたび尻たたきに使われ続けた。
[NEXT]
[TOP]
[BACK]