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「では、その職も取り上げると言ったら」
「それは…」
「困るか」
「困ります」
「ふん。なるほど」
なにもかも理解したとも言わんばかりに渡辺はうなずく。
「つまり、こういうことだな。戦争には出たくないが、軍の給料は欲しいと」
この言葉に二岡は思わず目を見開き、さらには口を開けて声を上げそうになった。
まさに…、まさにそういうことだ。もっと言うなら、将来の年金を満額受け取る権利も欲しい。
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