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とてつもなく嫌な予感がする。しかし、断るとまた面倒なことになるだろうか…、そう思い、小野寺は仕方なく手榴弾を取り出した。すると目にも留まらぬ速さで帆足はそれを奪い取り、クルリと後ろを向いた。

「あっ、ちょっと」
「借りるぞ」

誰も、制止する暇もなかった。帆足は手榴弾のピンを抜くと…、それを二台の輸送車へ向かって投げつけた!


耳をつんざくような音をたて、爆発が起こる。さらに漏れたガソリンが引火し、車両はまたたく間に激しい炎に包まれた。

「おい、帆者…、」

小野寺は青ざめた顔で帆足を咎めたが…、すでに小野寺の横に帆足はいなかった、それどころか、岸もいなかった。車両の残骸をまたたく間に飲み込んだ業火を見届けることもなく再び踵を返した帆足を追って、岸も行ってしまっていた。

「はあ、疲れたな」

そう言って息をつく帆足に追いつき、岸は並んで問いかける。

「なぜ、殺すんですか!」

それはある種の核心のようなものだった。小野寺ならおそらく尋ねないだろう。だが岸は尋ねておきたかった。

「…お前、くだらねぇこと聞くんだな」
「くだらないと思わないから、聞いているんです。なぜ殺すんですか。殺してもいいと思うからですか、それとも、殺したいから、ですか」


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