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「なーるほどねー…」

近所の子供や趣味の手習い、カルチャーセンターや老人会の講師依頼、欧米から来た日本かぶれの世話などとは別に、前田が今までに弟子として育てたのは3人。
みなまだ子供のうちから道場住み込みで育ったのだから、名実ともに前田が育てたと表現して差し支えないだろう。

その結果…、
ひとりは自分に次ぐ実力者になり、品行も特に問題ないが…、厳しい修業生活が長く続いたことが少なからず影響して、少し面倒な性格になった。
別のひとりは自分に懐いているが、決定的に素質不足で、時間をかけても多くは望めない。
そして、最も順調に育ってきたと思われたもうひとりは、ある日突然姿を消し、あろうことか、スラィリーの群れに混じった。

…英心さんが失踪して、勝浩さんが独立しても、お師匠さんが全然新しいお弟子さんをとろうとしないのは、こういうわけですか。
カーサは頭の中でそうつぶやいた。
これでは確かに、前田が、自分にはものを教える才がないのではないかと思ってしまったとしても無理はない…。


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